『戒厳令下チリ潜入記』

チリの亡命映画人、ミゲル・リッティン監督作品。前半部で1986年に潜入したチリの現状を取材し、首都サンチャゴから北部の鉱山集落へと移動していく。後半に1973年9月11日の軍事クーデターを中心に、サルバドル・アジェンデの実像と歴史を、その側近達の言説と当時のフィルム・ストックから再構成していく。潜入記とは文字通りであり、監督自身が国外亡命しているわけで、我が身を隠しながらもこれだけの内要を映画におさめることができたことに驚く。で、この映画が完成後どのように世界や自国の人に見られていったのか、つまり、どのような場所でどんなタイミングで公開していったのか、気になる。ちなみに日本での配給は大映になっていて、ビデオも大映ビデオなのであるが、はたして一般興行されたのだろうか。