2006-01-01から1年間の記事一覧

『転倒する快楽』

ロバート・スタム著『転倒する快楽』を読む。日本語で読める数少ないブラジル映画研究の書だが、ブラジル映画研究を中心にしているのではなく、バフチンの理論、主にカーニバル、ポリフォニー、ヘテログロッシアなどの概念を映画分析や文化研究に応用してい…

『戒厳令下チリ潜入記』

チリの亡命映画人、ミゲル・リッティン監督作品。前半部で1986年に潜入したチリの現状を取材し、首都サンチャゴから北部の鉱山集落へと移動していく。後半に1973年9月11日の軍事クーデターを中心に、サルバドル・アジェンデの実像と歴史を、その…

「シネ・トランス」と「トランス・ブレヒト」

遅ればせながら、近代美術館で行われたブラジル展の際の講演会を元にした、赤坂大輔さんのテキストをウェブで発見し、そのなかで、ジャン・ルーシュが「シネ・トランス」(cine-trance)という概念を提示しているということを初めて知る。この概念を説明すれば…